小児歯科 ~赤ちゃんと子どものための歯科治療~

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 歯医者さんに恐いイメージがあるために、診察台を見るだけで泣いてしまう、あるいは診察室に入ることすらできないお子さんがいます。そのような場合はまず、緊張をほぐすことからはじめましょう。自分から口が開けられるようになるまで、少しずつ練習していきましょう。通院回数はかかるかもしれませんが、家族の皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

 

 最初から不必要に押さえつけてしまっては、「歯科医院=怖いところ」になってしまいますし、何より暴れられると治療に危険を伴います。そしてマイナスイメージを持ったまま成長すると先々通院の機会に恵まれず、早期発見・早期治療につながりにくくもなります。時間をかけてお子さんの恐怖心、口の過敏さをやわらげていきましょう。

 

 診察台を怖がるお子さんには、まずご家族に診察台に座っていただき、そのお腹の上で寝転んだ状態で診察することがあります。あるいは場所を変えて、子どもの好きなプレイルームで寝転がってすることもあります。「暴れるから迷惑じゃないかな・・・」そんな心配はいりません。誰でも最初は怖がるものです。

 

 当院では予防にフッ素塗布を行っています(¥500)。子どもの歯(乳歯)はエナメル質が薄くて柔らかく、大人の歯(永久歯)に比べて虫歯になりやすいのが特徴です。奥歯も生え、いろんなものが食べられるようになったら、そろそろ歯科医院デビューするとよいでしょう。特に、おやつや食事の時間を決めない「だらだら食い」が習慣になっていると、「ああっ!」という間に虫歯ができてしまいます。
余談ですが私(院長)も我が子を甘やかし乳歯に虫歯をつくってしまったことがあります。お恥ずかしい限りです。おやつの時間が曖昧だったと反省しています。子どもの虫歯は、決して子どもだけのせいではないのですね。

 

 このように、プラークコントロールは家族の生活習慣と深く関わっています。ぜひ時間をかけて家族みんなでデンタルIQ(歯やお口に関する意識や知識)を高めていきましょう。※フッ素塗布には、「富山子育て応援券(1枚)」がお使いになれます。

 

ガチャガチャ

受付にあるガチャガチャ。治療終了後、頑張ったご褒美にガチャガチャメダルがもらえます。

 

 

プレイルーム

プレイルームの壁にはたくさん魚が泳いでいます。天井を見上げれば青空模様が。狭い空間ですが、その方が子どもたちは落ち着いて遊べるようです。

プレイルーム

 

 

子育て応援券

 

 

 

子育て応援券。
0歳児さんは県内全域で使えます。

 

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口腔機能育成装置『Vキッズ』 ~子どもの幸せを願う気持ちから誕生~

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 はじめに、『Vキッズ』は歯の矯正装置ではありません。子どもの成長しようとする力を引き出す口腔機能育成装置です。使用するのは子どもが最も成長する3~5歳。この間、生まれつき噛むのが大好きな子どもに適切な負荷を与える事で口腔環境を整備。矯正前の素地を作るだけでなく、全身的・心理的な成長促進にもつなげようとする歯科ならではのアプローチです。

 

 具体的なねらいは大きく2つ。①口腔内を広げることで良質な睡眠を確保、②顎の骨から頭頸部にかけての成長を促進。この2つです。矯正装置ではないので歯並びは変わりません。また口腔機能が育ったのちリバウンドが起こることもありません。ですから基本的に誰でもトライできる装置です。もし以下の症状の中に一つでも心当たりがあれば、十分試す価値があると思っています。

 

 

《3~5歳でこんな症状ありませんか》

 

歯科的問題

・歯と歯の間に隙間がない
・噛んだ時上の歯が下の歯に覆いかぶさっている
・お口ぽかん
・唇が腫れている
・食べるのが遅い
・食べこぼしが多い
・いびきをかく
・滑舌がイマイチ

 

全身・心理的問題

・よく耳鼻科にかかる
・すぐ風邪をひく
・姿勢が悪い
・身長が伸びない
・よく転ぶ
・おねしょする
・朝が弱い
・偏食が激しい

 

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 上写真をご覧ください。感心するほど昔の人は実によく噛む食生活をしていました。おやつからかたさのレベルが違います。今でも年配の方でイカやタコ、たくあんなど、かたいものが好きという方は多く、お陰で「歯が取れた・折れた」という例はあるものの、それでもやめられないのには訳があり、きっと気持ちが良いのだろうと考えられます。食べ物だけではありません。口笛、指笛、草笛、水笛、シャボン玉、ビードロ、紙風船…。ホオズキの実の皮で音を鳴らす遊びなども、今の子たちはどれくらい楽しんでいるでしょうか。そもそも知らないかもしれませんね。
 また年配の方だけではありません。そもそも子どもは生まれつき物を噛むのが大好きです。「噛みたい」これは顎や全身の成長にとって非常に大切な衝動で、抑えずむしろ引き出して発散させてやるべき刺激なのです。
 余談ですが、現に私(院長)の娘の好きなおやつはガムだそうです。特に何度も噛んで遊べるフーセンガムが好きみたいです。ガムが好きなんて珍しいと言われますが、実際どうなのでしょうか…。

 

 口を動かしたり噛んだりすることが重要なら、子どもの普段のおやつは昆布やスルメ、煮干しにする。食事も一口30回以上噛んでから飲み込むよう厳しく言い聞かせる。それが最も安く、手っ取り早いかもしれません。しかしたったそれだけのことが現代人には難しいですよね。ふわふわのパン、とろけるチョコ、流し込むだけのスムージーやジュース、美味しいですね。私も大好きです。今更やめられるはずがありません。そう言えば誰かが「カレーは飲み物」などと言ったそうですが、そんな食べ方は論外です。かき込みたい気持ちはわかりますが本当に飲んではいけません。

 

 「食べているぞ、喰った!」という心地よい疲労感・満足感、そして脳への刺激。そうした快感から得られる生きる喜びを、ぜひ子どもたちに味わわせてあげようではありませんか。そのために出来ることは何か。大人が子どものために心を砕いてあげられるとしたら、軟弱になってしまった現代人の生活の中で、どうやって良質な刺激を効率良く子どもに与えられるかを考え、環境整備してあげることではないでしょうか。

 

 『Vキッズ』という名前は近年ようやく付けられました。「V」は英語の「Vigorous=元気な、いきいきした」に由来しているそうです。大人がいつも考えることは、これからを生きる子どもたちがどうしたら幸せになれるかです。未来ある子どもたちが、いきいきのびのび元気に暮らせますように。その願いために大人は生きているといっても過言ではありません。『Vキッズ』には、大人の子どもへの願いがそのまま込められているのです。いい名前です。

 

 現在当院ではいくつかのマウスピース矯正を手掛けていますが、そもそも最近の子どもたちの口腔機能の成長の至らなさを日々感じ、他のアプローチを模索していました。
 また私事になりますが、現在私(院長)には6歳の娘がおり、既に上2本と下4本の乳歯が抜けました。出てきた永久歯を見ると残念なことに下顎が小さく、これから先キレイに並びそうにありません。歯科医の私に今からできることはないか。得意のマウスピース矯正?続くかな。…いや、早すぎて絶対続かんな。ではしばらくしてから本格矯正?本格矯正といえば虫歯でもない歯を便宜的に抜くことがあるのですが、それはできるだけ避けたい。本格矯正しなくても済む程度にはしてやりたい…。ぼんやりそう思っていたとき丁度出会ったのが『Vキッズ』でした。正直「やっと見つけた!私がしたいのはこれだ!」という思いでした。勉強後、最初に娘の装置を作成し実験することにしました。なんと県内初被験者だそうで少々驚いております。(2019.7加筆)

 

 『Vキッズ』の効果や結果については、随時お知らせしていく予定です。より詳しくご覧になりたい方は、『Vキッズ』公式サイトをどうぞ

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『Vキッズレポート』(2020.10加筆)

 

 Vキッズ導入からR2年6月で1年経ちました。この間、親御さんと子どもたちに多くのご理解とご協力をいただいたこと、心から感謝申し上げます。わずか1年で様々な症例を手掛けることができました。

 

 小さい子にマウスピースをさせる。これはとても大変なことです。親御さんが乗り気でもお子さんが嫌がったときはご両親のマウスピースも制作し、夜、親子で装着してもらいました。また小さい物なので紛失したときには再度型取りから行いました。定期的な観察にも通っていただきました。全ての症例に共通しているのは親御さんの愛情でした。我が子に有形無形の影響を期待されているのだなと微笑ましく感じました。私も同じだからです。

 

 わずか1年で最も変化の大きかった症例を紹介します。
3歳男の子。一般的にいわれる「受け口」でした。受け口はお祖父様、お父様、本人と続くため遺伝的要素が強いと考えられます。心配されたお母様から相談をうけ、将来的には本格矯正も視野に入れながら、まずはVキッズを試してみることになりました。開始しばらくして一度紛失されたのですが、親御さんの熱意で再度作り直しをしてまで、ずっと装着し続けてこられました。

 

2019/8 初回

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備考:前歯が半分ほど被っています。初めてで写真がうまく撮れず。身長99.9㎝

 

 

 

 

2019/9 1カ月経過

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備考:身長101.7㎝

 

 

 

 

 

2019/11 3か月経過

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備考:わかっていただけるでしょうか。わずかに高さがみられます。身長103.3㎝

 

 

 

 

2020/7 約1年経過

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備考:歯の高さに大きな変化がみられます。しかしながら、まだ上の前歯は下の前歯より奥にあります。身長107.5㎝

 

 

 

2020/10 約1年3ヶ月経過

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備考:上の前歯が下の前歯より前に出て、受け口ではなくなった。お母様、身長について「最近もの凄くのびた。(この子の)お兄ちゃんも小さかったのに、この子は12月生まれにも関わらずクラスで後ろから数えて2~3番目になった」とのこと。

 

 ここで強調しなくてはいけないのは、Vキッズは矯正装置ではない。小児口腔育成機能装置である。ということです。歯を動かしたり、間引いたり、顎の骨を一部切除したり、難しいことは一切していないのです。子どもが本来持っている、大きくなりたい力、生きるエネルギーみたいなものを、寝ている間だけ、くすぐった。それだけで、受け口が正常な噛み合わせになったのです。私自身、驚きました。

 

 ここでふと思いましたが、もしかすると「矯正」と「Vキッズ」は、やり方としてはお株を取り合う関係にあるのかもしれません。しかしながら、私としては子どもの力を可能な限り自然な形で引き出したい、そんな考えでいます。歯並びもひとつの個性だと思うので、むやみな矯正や便宜的な抜歯は、少し立ち止まって考えてしまうのです。基本的に「こうでなければいけない」というものは無いのではないでしょうか。歯並びだって生まれ持ったかけがえのない個性のひとつでしょう。欲張りなのか、小心者なのか、私はその個性を大切にしたい気持ちが強いです。そのうえで「矯正」も「Vキッズ」も両方うまく使いこなせればベストではないでしょうか。
それにしても、大きな成果が出ると我が子のことのように嬉しいものですね。

 

☆☆☆現在当院でVキッズに取り組んでいらっしゃる方へ☆☆☆

 効果が感じられないと途中で挫折しそうになりますね。しかしながらもう少し続けてみてほしい。目を凝らして観察してみてほしい。子どもの声を引き出してみてほしいのです。(Vキッズしてると結構気持ちが良いんじゃない?)効果は有形無形です。上記の様にわかりやすいことだけが効果ではないようです。「起床後すぐに登校準備をするようになった」、「Vキッズを入れていると『気持ちいい』と子ども本人がいう」、逆に「Vキッズを装着しないと身体のどこかに不調が出やすいみたい」など、歯とは全く関係のない感想をたくさん頂戴しています。

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